過去帳のデータ化(電子化)とは?寺院の紙管理をクラウド化する方法・費用・メリットを徹底解説

寺院にとっての過去帳とデータ化(電子化)とは?
寺院で用いられる過去帳には、その寺院を菩提寺とする各家(檀信徒・門信徒)のご先祖さま方の記録が全て記録されています。
少なくとも江戸時代から続く仏縁を起点として出会い、共に生き、弔ってきた人々の家系図データベースのようなものでしょう。
過去帳には、故人の戒名・俗名・没年月日が記録されています。
しかし、その多くは紙の記録のみにとどまっており、クラウド管理寺務台帳に年間100件以上お問い合わせがある中で、半数以上の寺院が紙のまま保存しています。
紙の管理が故に劣化による損傷のおそれ、日々の寺院活動の中での不便性を感じているお寺が多く、データ化することで検索性や檀信徒への対応力を高めたいというお声を多くいただきます。
過去帳のデータ化が求められている理由
1つ目の理由:保存の安全性の課題
その背景には過去帳の経年劣化および自然災害の頻発による被害の恐れがあります。
数百年続く寺院が多い中で、過去帳もその分劣化しています。
「触ってしまうと劣化を進めてしまうのではないか?」「怖くてさわれない」といったお声も住職や奥様、寺族から弊社によく寄せられるご相談です。
また、自然災害の頻発により水没、地震による紛失、火災による焼失にも危機感をもっているお寺もおられます。
2つ目の理由:檀信徒とのコミュニケーションの課題
- 高齢化や核家族化により、檀信徒が寺院の慣習を理解しにくくなっている
- 「次の回忌法要はいつですか?」と聞かれた際に即答できないケースが増加
- 施主からの質問(戒名の意味、回忌案内など)に迅速に対応しにくい
など誠実に檀信徒と向き合おうとされているお寺ほど紙の管理では限界を感じて、お悩みを抱えている傾向にあります。
この記事を読むメリット
これらの課題を抱える寺院向けに本記事は記載しています。
これまで200件以上の寺院からご相談を受け、過去帳のデータ化および情報整備を支援してきた弊社が、その方法・費用・注意点を解説します。
過去帳のデータ化とは?
過去帳のデータ化の方法
過去帳のデータ化にはいくつかの方法があり、それぞれのメリット・デメリットを理解することが重要です。ここでは、「OCR(文字認識)を活用したスキャン」「Excelやデータベースで管理」「クラウドサービスを利用」 の3つの方法について詳しく解説します。
OCR(文字認識)を活用したスキャン
1.OCRとは?
OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)とは、スキャンした画像から文字を抽出し、テキストデータとして利用できる技術です。過去帳をスキャンし、OCRを活用することでデジタル化を効率的に進められます。
2. OCRを利用するメリット
- 入力の手間を削減できる → 手書きの過去帳を自動でテキストデータ化
- 検索性が向上する → 故人名や戒名を簡単に検索可能
- バックアップが容易になる → 紛失・災害対策として保存可能
3. OCRのデメリット・注意点
手書き文字の認識精度
戒名や法名は常用漢字ではない場合もあるため中国漢字に変換されるなど完璧な書き起こしは期待できない側面もあります。手書きの過去帳は認識精度が低くなる可能性があるため、手動での修正が必要になることがあります。また、紙の状態や文字の筆跡によっては読み取れない場合もあります。
異体字・旧字体の対応
「齋」や「髙」などの異体字・旧字体が正しく認識されないことがあるため、外字対応のOCRソフトを使用 するか、手作業で修正する必要があります。ひとまずデジタルの情報をデータ化するだけであれば、OCRのAIアプリやサービスを活用する方法があります。
4.OCRの費用
初期費用のみや従量課金制など費用形態はさまざまです。
高性能OCRは初期費用の相場が10~20万円、月額で1~3万円ほど料金が発生します。
Excelやデータベースソフトで管理する方法
1. Excelを使った過去帳の管理
最も手軽な方法として、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを利用する方法があります。簡単に整理でき、導入コストも低いのが特徴です。
2. Excel管理のメリット
- 初期費用がかからない → ExcelやGoogleスプレッドシートなら無料で始められる
- 簡単に修正・更新できる → 住職や事務担当者でもすぐに編集可能
- フィルター機能で検索しやすい → 戒名・俗名・没年月日で絞り込みが可能
3. Excel管理のデメリット
- 入力・更新が手作業 → 檀家数が多いと、手入力の手間がかかる
- データ共有が難しい → 他のスタッフと同時編集がしづらい(Googleスプレッドシートなら可)
- バックアップが不安 → ローカル保存ではデータ紛失のリスクがある
4. データベースソフトを活用する方法
エクセルより高度な管理を希望する場合は、FileMakerやAccess、MySQLなどのデータベースやそれを基に開発されたダウンロード型ソフトを活用するのも有効です。
5.データベースソフトのメリット
- 検索・集計が高速で正確(データ量が増えても動作が安定)
- 関係者ごとの詳細な管理が可能(家系図や施主情報と紐付け)
- カスタマイズ性が高い(個別の管理ルールを設定できる)
6. データベースソフトのデメリットと注意点
- 導入コストがかかる(システム開発が必要になるケースも)
- 専門知識が必要(住職や事務担当者が使いこなせるか要検討)
- アップデート対応 → PCのOSがアップデートされた場合にデータベースが動かない又はサポートされなくなる場合がある
- バックアップが不安 → ローカル保存ではデータ紛失のリスクがある
クラウドサービスを利用するメリットと注意点
1. クラウド管理とは?
クラウド型の過去帳管理システムを利用すると、インターネット経由でどこからでもアクセスでき、寺院のスタッフ間で情報を簡単に共有できます。
2. クラウド管理のメリット
- どこでもいつでもアクセス可能(スマホ・タブレット・PCで利用可)
- 自動バックアップ(災害やデータ紛失のリスクが低い)
- 複数人で同時編集できる(住職・寺族・事務担当者と共有可能)
- データ検索がしやすい(俗名・戒名・回忌などで簡単検索)
3. クラウド管理のデメリットと注意点
- 利用料がかかる(月額料金・初期費用が必要な場合あり)
- インターネット環境が必須
4. どんな寺院にクラウドがおすすめ?
- 檀信徒数が多く、手作業の管理が限界な寺院
- 住職・寺族・事務員が分担して管理したい寺院
- 出先や出張先でもデータを確認したい寺院
5. クラウド過去帳管理サービスの例
▶クラウド寺務台帳(過去帳・檀信徒カルテ®を一括管理可能)
▶Googleスプレッドシート+Googleドライブ(簡易クラウド管理)
など。
過去帳をデジタル化する目的とメリット
過去帳をデジタル化しておくことで紙の紛失・劣化した場合の対策になります。
また、写真を撮るだけでは不十分で、適切なデータ化が必要です。
検索性の向上
故人の回忌や情報を聞かれた場合に紙では検索に時間がかかり、最悪見つからない場合もありえますが、デジタル化することで検索性が向上します。
また、デジタル化の方法によっては漢字など名前や戒名の表記が完全一致しなければ検索できない場合もありますがこのような不便なデジタル化は避けるべきです。
俗名をひらがなで入力すればすぐたどり着けるくらいの利便性はデジタル化するうえで求めたい性能です。
関係者との共有が容易
デジタル化することで、利用するサービスによっては寺院内共有が可能になります。
クラウドがその代表格です。同時に閲覧・編集できることで寺院内での情報共有が容易になり、「住職しかわからない」「住職の妻しかわからない」ということをなくしていけます。それによって、檀信徒に丁寧に向き合って対話や対応することができます。
過去帳のデータ化が必要なケース
寺院の管理業務を効率化したい場合
故人の情報は俗名、没年月日、行年といった記録だけでは不足しています。
法要の予約、回忌法要の案内、塔婆の申し込み管理、棚経の案内、故人の人生や戒名の由来など故人を起点とした弔いや関わり合いの情報もあわせて記録する必要があります。
情報が多岐にわたるためにデジタル化し、検索しやすいように、備考欄ではなく適切な項目で入力し、後世が一目見ればすぐに分かるような記録の仕方が重要です。
それによって結果的に寺院の業務効率が格段にあがります。
法要案内も従来の5分の1の時間で対応できたり、送付する送付先の間違いや、送付するグループと送らないグループの管理などが容易です。
空いた時間で他の寺務作業や檀信徒や寺族との時間を増やすことが可能です。
施主や親族、先祖代々と併せて保存したい
施主名簿はデジタル化しているのに、過去帳はデジタル化していないというケースは少なくありません。
ですが、前述してきたような課題を抱えていることに不安を抱き、デジタル化を希望する寺院のみなさまからのご相談を弊社は日々受けています。
その1つのゴールとして提供しているのが弊社が提唱している「檀信徒カルテ®」です。
病院のカルテのように1軒の家の施主と親族、先祖代々の故人の記録がすべて1つのページで管理され、必要な項目が含まれており、時系列で管理も可能になります。
大切な記憶と記録が失われないためにも過去帳のデジタル化および檀信徒のカルテ化を推奨します。
また、クラウド管理寺務台帳は檀信徒カルテが搭載されており、スマホ・タブレット・PCいずれでも同じように操作可能です。
更に、Googleカレンダーなどと連携することで予定の把握も容易になります。
クラウド管理寺務台帳の過去帳のデータ化支援とは?他社との違いは?
弊社がお手伝いしている過去帳のデジタル化は、クラウド管理寺務台帳の利用を目的としたお手伝いになりますので丁寧に対応しています。
方法は2つあります。
ご寺院がご自身で過去帳をデータ化する場合
過去帳の数や内容、フォーマットやお考えによってはお寺が過去帳を書き起こしたいという場合もあります。
その場合は弊社のスタッフが打ち合わせを適宜おこないながら、サポートさせていただいています。
過去帳の数、寺院のスタッフ数、予定などをふまえて、実現可能な目標を立てます。
そのうえでスケジュール作成、書き起こしフォーマットやコツのご提供、スケジュール管理を行います。
この方法でこれまで多くの寺院が、長年できなかった過去帳のデジタル化を完了しています。
特に住職の代替わりに際してデジタル化を行ったみなさんは異口同音に
「自分でちゃんと整理したことが結果的によかった。何度もお名前を見たことで施主や配偶者のお名前もインプットでき、初めて会ったのに知っている人かのように思えて心持ちも違った」
といった声をお聞かせいただいています。
弊社が過去帳をデータ化する場合
過去帳を確認してから守秘義務遵守の元、お見積書を作成、契約書を取り交わしてから着手します。
セキュリティ対策をした環境で弊社が過去帳の書き起こしを行います。2人1組のダブルチェック体制で書き起こしますので、丁寧に対応します。
過去帳のデータ化が完了しましたら過去帳のデータはクラウド管理寺務台帳へのインポートとは別にEXCELファイル形式で納品もさせていただきます。また、お預かりした過去帳のデータは社内から削除します。
また、クラウド管理寺務台帳はWebブラウザ上にも関わらず外字と異体文字が表現できるサービスです。
このため書き起こしでは外字や異体文字にも対応しています。
他社で書き起こしたデータをクラウド寺務台帳でにインポートする際に実際にあったこととしては、
安いと思ってお願いしたらかなり間違いや抜けがあった。
外字や異体文字は別途費用で結局高額になった。
外字や異体文字が画像データで文字データではなかった。
他のサービスでは外字や異体文字が表現できず、すべて文字化けする。
など他にもさまざまなお悩みをお聞かせいただきます。
弊社は檀信徒カルテ化をゴールにしていますので、情報に疑問点や齟齬、重複があればそういった点も丁寧に確認してクラウド管理寺務台帳に登録する際にはきれいに情報が入ることを目指しています。
詳細は以下をご確認ください。
クラウド管理寺務台帳の過去帳等のデータ化について
過去帳のデータ化について相談したい方へ
「檀信徒管理を効率化したい」「過去帳をデジタル化したい」など、まずは無料相談をご利用ください。